●楽器の資料室
マンドリンという楽器
マンドリンは丸みを帯びた胴と譜レットつきの短い棹を持ち、指や義甲ではじいて音を出す撥弦楽器です。一般にはスチールの複弦4コース(同じ高さの弦が2本ずつ4組)の楽器として知られています。マンドリンは1620年頃ベネチアのパロッキア(Parocchia)が創作したと言われていますが、11世紀頃出たリュート型の撥弦楽器であるマンドーラがその元とされ、マンドーラに高い音を出させようとして形を小さくしたものです。当時はガット(羊腸)弦でしかも単弦4本〜6本となっており、それを鳥の羽の軸で爪弾いて音をだしていました。現在のようになったのは19世紀の半ばで、ナポリのパスクワーレ・ヴィナッチャ(P.Vinaccha)がガット弦をスチール弦に替え、複弦4コースに改良しました。日本にマンドリンが入ってきたのは明治30年(1900年)代のことです。
●マンドリンの種類
ナポリ型 | 現在のマンドリン ヴィナッチャ カラーチェ系 |
ローマ型 |
4コース 駒が高め エンベルガー |
●マンドリンの奏法
ピッキング:右手にピックを持ち、ダウンのみまたはダウンとアップにより1音符につき一度弦をはじく。 |
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トレモロ :ダウンとアップの連続により音を持続させる |
●マンドリンのお友達
クァルティーノ |
ピッコロマンドリンともいう。通常のマンドリンより4度高い調弦でやや鋭いが愛らしい音をだす。 |
マンドラコントラルト | マンドリンより5度低い楽器。中音部記号を用い、実音どおりに記譜する。 ビオラと同じ調律 |
マンドラテノール | マンドリンより1オクターブ低く調弦される楽器。 記譜は実音より1オクターブ高い。 |
マンドロンチェロ |
マンドリンよりオクターブと5度低く、ヴァイオロンチェロと同じ調弦実音どおりに書く。 |
マンドリュート |
マンドロンチェロの兄弟楽器で マンドロンチェロが複4弦に対して、高音にEの弦を付し複5弦となっている。
低音部記号、テノール記号の時は実音のまま記譜し、ト音記号の時はオクターブの移調楽器である。マンドリュートは独奏楽器としても使用される
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マンドローネ | 低い弦から A,D,G,C調弦し、マンドリン合奏ではベースの役割をする。 コントラバスより音量的には劣るが、音質はマンドリンに良く合う。 |
ギター | ギターは、マンドリン合奏の和音やリズムの補助として活躍します。 音色の柔らかいガットギター(クラッシックギター)が一般的に使われ、 合奏には、無くてはならない存在になっています |